矯正治療は、見た目だけを整えるのではなく、機能との統合を追い求めなければなりません。しかし日本ではまだ見た目の歯並びを治すための治療という認識があります。
いわゆる歯列矯正とは、正しく咬み合ってない(不正咬合)上下の歯をきちんと咬み合うように治す治療をいいます。つまり咬みあわせを治療した結果、歯並びもきれいになるわけで、美的な効果だけを目的にしている治療ではありません。
正しい咬み合わせを得ることで口元の形を整え、同時に食べ物を良く咬めるようにすることを目的とします。
また、発音を明瞭にさせるとともに、虫歯や歯周病を防ぎ、健康な口腔状態へと導くことが重要です。その上で、当院ではそれぞれの患者さんに合った装置で痛みが少なく、できるだけ期間の短縮できる治療を目指します。
当院では子どもの矯正治療が重要と考えます。成人矯正との大きな違いは、顎の骨の成長があるかないかです。子どもの場合は、第一次、第二次成長期の上顎、下顎の発育を治療に利用できます。
出っ歯の場合、成人では上の前歯を引っ込めるために歯を抜く可能性が高まります。しかし、子どもなら下顎の発達を利用し、効率よく歯を動かせるので、歯を抜かずに治療できる可能性が高くなります。矯正治療は重度の歯周病がなければ何歳からでも可能ですが、適応年齢から始めることができると、歯を抜く可能性が減るのです。
矯正治療は特にインフォームドコンセントが重要といえます。
矯正治療は期間が長い上に、一度始めると簡単には中断できなくなるので、相談時にカウンセリングを重ね患者さんが納得するまで何度でも説明・相談します。
そして、患者さんが納得してから精密検査を行います。その検査結果をもとに、それぞれの患者さんに合った最善の治療方針を、診断時に患者さんとともに検討していきます。
唇側装置、舌側装置、インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)など、患者さんに合った装置が選択できます。