顎関節症

 顎関節症とは、日本顎関節学会による顎関節症の疾患概念によれば,顎関節症とは,顎関節や咀嚼筋の疼痛,関節雑音、開口障害ないし運動異常を主要症候とする障害の包括的診断名である,と定義されています。
 さらに、日本顎関節学会によると顎関節症と診断するには,
1、顎関節や咀喘筋など(咬筋,側頭筋,内側および外側翼突筋のほかに顎二 腹筋,胸鎖乳突筋を含む)の疼痛、2、関節(雑)音、3、開口障害ないし顎運動機能異常の主症候のうち,少なくとも1つ以|こを有することとされています。
 日常の診療を振り返ったとき,顎関節部が開閉口時や咀嚼時などの機能時、基本的に顎関節症では安静時の自発痛はない,腫脹も伴わない)に痛むこと、咀嚼筋に機能時痛,圧痛があること・開閉口時に顎関節部に雑音がすることのいずれかの症状が認められた場合に,「顎関節症」を疑います。これがまずは診断の第一歩ですが,その際にしっかりと触診して疼痛部位(または範囲)を特定することは重要です。
 患者さんの言葉に惑わされることなく,解剖学的な構造を踏まえて「どこが痛いのか」「いつからなのか」「ひどくなったのか,良くなってきているのか」などを確認するのが重要です。また,それらが顎関節症の症状と矛盾していないことを確認します。顎関節症において比較的多く疼痛を生じる部位とは,やはり顎関節部と咀嚼筋,特に咬筋部と側頭筋部が多い。また,正常な開口量はどのくらいであり,どのようにして測定すれば良いのかを確認します。 しかし,「顎関節症を疑う.と述べたように,上記に挙げた症状を確認できたらそれで顎関節症であるご判断してしまうのは,早計である.実は顎関節部や咀嚼筋に疼痛を伴う疾患,開口障害を呈する疾患は非常に多く,それらの病態は多彩である。また,厄介なことに精神医学的要因も絡んでくることがら,ときに診断が非常に困難となることがあります。



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