ドクターブログ

顔面と歯列の調和と審美性

 審美歯科とは決して歯だけが白くきれいになれば良いのではなく,顔面との調和が必要です。口腔内と顔面の関係性を評価するためには何らかの基準が必要であり,その第一歩として,まずは水平的および垂直的な基準線を考慮しながら診査を行っていきます。
 この水平的な基準線の代表例として,瞳孔間線およびスマイル時と安静時の両口角を結んだ口角線があります。この2本の線は患者さんを正面から観察した際に,共に地面に対し平行であることが理想的ではあるが,そうではない例も往々にして見られ,さらには2本の線は平行であっても地面を基準にすると共に斜めに傾斜している場合もあり,結果としで顔面全体が斜めに歪んだ印象に見えることになります。そのような場合に他に基準となりうる水平線として,両眉の頂点を結んだ線,鼻翼下部の線などが,前述した線に加えて上顎前歯部の切縁の位置,前方咬合平面,辺縁歯肉の評価・決定において重要な基準となります。
 しかし,これらの基準線は必ずしもすべての患者さんにおいて適用できるものではなく,もしいずれも使えない場合には,自然な姿勢を保った患者の正面から観察し,最も自然な仮想の線を基準に分析をしていく必要があります。
 垂直的な基準線について最も一般的に用いられているものは正中線で,これは正面を向いた患者さんの眉間の中央から,地面に向かって下した仮想の線である。この線によって顔面は左右に分けられるが,実際に顔面が左右対称であることはほとんどなく,審美性に対する影響もよほどの状況でない限り差し支えないため,歯列との関連性を見出すうえで顔面の正中線の重要度は高くはないと言えます。したがって,顔面と歯列との関係性を評価,構築するうえでは上口唇の中央を顔面の正中と考えて歯列との位置関係を診査していくほう現実的です。
 理想的には,“正中線”は前述したさまざまな水平基準線と垂直に交わるはずであり,この2組の線が垂直に近いほど顔面の全体的な調和がとれているとも言えるが,現実にはそうなることのほうが少なく、また,審美的なコンポジションを考えるうえでの視覚の原則である「多様性の中の統一性」を考える際,上顎両側中切歯など正中線に近いものほど左右対称であることが望ましいが,逆に正中線から多少離れている場合は,厳密な対称性は審美的な結果に影響を与えにくい.したがって,多少の非対称性や不規則性は最終的な審美結果にはなんら影響はなく,むしろ顔面全体として見ると幾何学的に完璧な状態よりも自然な美しさをもたらすことができます。

口内炎

 アフタは口唇,歯肉や頬粘膜,舌などに,円形あるいは惰円形の浅い潰瘍ができるもので,過労,睡眠不足,精神的ストレス,胃腸障害,ビタミンB2不足,ウイルス感染,妊娠,月経異常といった内分泌異常などが誘因になるが,アフタそのものの原囚は不明なことが多い。
 ドライマウスなどがあるときも,口腔粘膜が乾燥して口腔内の粘膜が傷つきやすくなり炎症を起こします。ドライマウスの原因として,ストレスや加齢による唾液分泌量の低下,糖尿病,腎不全などによる口渇,風邪薬や血圧降下薬などの薬の副作用,睡眠薬,精神安定剤,一部の抗アレルギー薬の長期服用,口呼吸,シェーグレン症候群,自己免疫疾患などが考えられる.ドライマウスを発症する患者さんは,唾液腺などの外分泌腺はホルモンの影響を受けやすいため,女性ホルモンが減ってくる更年期の中高年層の女性に多いと言われています。

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