ドクターブログ

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とは,根管を感染経路とした炎症性疾患です。歯髄が壊死すると根管内に細菌やその産生物などの炎症性物質が蓄積し,それらによる刺激が少しずつ根尖孔から広がることにより,炎症が根尖孔外に波及し,最終的には歯槽骨の吸収をもたらします。根管内の感染細菌に対する生体防御反応が根尖性歯周炎であり,炎症に対する防御的緩衝帯になっているとも言えます。
 根尖性歯周炎の成立および治癒には,細菌感染による病原因子と宿主の免疫反応とのバランスが深く関わっています。感染根管治療とは,根管内から病原因子を徹底的に除去することにより,このバランスを宿主の免疫反応が優位となる方向にシフトさせ,根尖性歯周炎を治癒に向かわせる治療です。

上下歯列接触癖 THC (Tooth Contacting Habit)

THCとは「安静時(非機能時)にあっても上下の歯が接触し(contact)続ける(-jng)癖(habit)」のことです.。THCはTooth Contacting Habitの頭文字をとった略称であり,上下歯列接触癖と言います。
 ふだんは唇を閉じていても上下の歯は接触しておらず,上下の歯の間は1~3mm程度の隙間が空いています(これを安静空隙と言います).通常,上下の歯の接触は食事などで物を噛むとき(咀喘),そして物を飲み込むとき(嘸下),また喋っているとき(会話)などの機能時に瞬間的に接触するのみで,その接触時間は積算しても1日平均17.5分であると報占されています。しかし,実際はこれら以外のときにも歯を接触させたままでいる人が多数いることがわかりました。特に顎関節症の患者ではこの比率は高く,しかもこれらの人は歯を接触させていること自体がごくごく普通のことであり,癖として認識していません。これらの方々では唇を閉じているときに歯を接触させていることは,当たり前のことになっているのです。。

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