ドクターブログ

継続的なブラッシング

ブラッシング等のセルフケアによって口腔状態の改善を目指す際には,適切な月標を立てていくことが重要である.目標の立て方次第で患者さんの行動に大きな変化が生じる可能性があります。改善を急ぐあまり目標を高く設定してしまうことは患者さんのみならず医療者にもよくみられる傾向であるようです。高すぎる目標設定は,結果的に失敗してしまうことが多いと考えます。
 このような状況を避けるために,認知行動療法では目標設定に関して、①具体的な目標を立てる,②実行可能な目標を立てる立、③患者自身に目標を立ててもらう、などのさまざまな工夫が用意されています。こうした工夫を行うことは,目標とする行動を生起しやすくするために非常に重要です。たとえば,あいまいな目標を設定すると具体的に何をどのようにすれば良いかが明確でないため,実際に行動が生起する確率は低くなるが,具体的な目標を設定することで患者は何を行えば良いかが明確になります。また,高い目標を目指すことはすばらしいことですが,患者本人にとって難易度が高すぎる場合は結果として実施率の低下に結びついてしまう可能性があります。高すぎる目標を設定するよりも、不十分な目標であっても実施が十分に可能な目標を設定し,モチベーションを高めながら徐々に目標を理想に近づけていくことが重要です。

お問合せ