痛みに対する不安がなく、清潔で、これから行われる治療内容を患者さん自身が十分理解し、すべてを安心して我々にゆだねられる。そんなストレスのない穏やかな時間と空間を提供したいと思います。
保険制度の制限にとらわれず、将来歯を失わないためには、何が患者さんにとって最善なのか、患者さんとともに考えます。そして最善の治療を希望される患者さんには、将来にわたり歯を守るための最善の方法と材料を用い、十分な時間をかけた丁寧な治療を行います。
起きてしまった症状を消して、つめたりかぶせるだけの治療(対症療法)で終わることなく、悪くなった原因を追究し、原因から改善(原因療法)することで、生涯にわたり歯を守ることを目的とします。
1歯1歯を治すのではなく、1口腔単位の咬合バランスを重視した包括的歯科治療を行います。
短期的な治療を行うだけでなく、生涯にわたり歯の喪失を防ぐための適切な予防管理を継続的に行います。
初診では主訴の原因の説明と症状の改善を行います。その後、日を改めて患者さんの望んでいることを十分に聞くことから始めます。そして患者さんが納得し、満足するまで十分な時間をかけて説明をします。
そして綿密な検査後、治療計画の立案を行い治療に入ります。治療終了後は再評価を行い、メインテナンスに移行します。
医療を進めていく上で、本来は最善の方法以外は許されるべきではありませんが、現在の日本では、せめて医療を受ける側の患者さんが正しい医療かどうかを判断できるだけの十分な知識を得た上で、患者さん自らの意思で医療のレベルの選択を行ってもらわなければなりません。その上でプレゼンテーションは非常に重要な意味を持ちます。
患者さんは専門的知識を持ち合わせていないこと十分に考慮し、一方的に短期間に大量の情報を提供しすぎることなく、適正な時期に十分な時間をかけて説明するように心がけています。
大量の専門的情報を一方的に伝えようとしても、患者さんが診察室を出られるときには説明したことの1~2割しか理解していないなどということが起こり得ます。言葉による説明だけを行うより、わかりやすい画像、写真や図、模型を使うことで、何倍も効果を高めることができます。
まず、患者さん自身から治療説明を受けたいという、十分な気持ちを持てるような動機づけを行わなければなりません。
症状が軽い場合、痛みが止まって咬めるようになれば、難しい説明などなくても平均的なレベルで治療してもらえばいいという患者さんもたくさんいます。
保険診療以外の説明では、われわれが金儲けの目的で費用の高い治療を進めているのではないかと不快感を覚えられる場合もあります。患者さんが身を乗り出して説明を聞いてくれるような動機づけを、最初に行います。
患者さんが一番希望していることは、生涯にわたって自分の歯をできるだけ抜かないでおきたいということです。
それが現実的には80歳で6本しか残っていないこと、そしてそのほとんどは老化現象によるものではないこと、われわれが行う歯科医療に問題があることを、まず伝えなければなりません。
そして歯の喪失を防ぐための最善の治療を行うことができることを伝えます。