ドクターブログ

歯内治療と修復治療の境界線

歯科治療のなかでも,「歯内療法」と「修復治療」は,「歯」自体を治療するという同じ側面を有するもので,「根管治療一支台築造一歯冠修復」という一連の治療は臨床で頻度が高い。そのなかにおいて,支台築造を行う際などは,歯内療法と修復治療との境界域が存在し,その歯の治療を始める時点から双方を意識して進めていかないと,根管治療後の修復治療が困難となるな:ど問題が生じる可能性があり,良好な予後は得られません。
一般に,この「根管治療―支台築造一歯冠修復」という一連の治療はすべてを一人の歯科医師が行う場合が多いと予想されるが,複数の歯科医師が各専門領域を分担して治療するケースもある.いずれにしても,根管治療が適切になされても修復治療が不適切であれば,根管内への再感染が生じる(コロナルリーケージ)など,歯の予後に大きな影響を与えます。そのため,両者をきちんと理解し,治療することが重要です。さもなければ,この一連の治療の繰り返しは歯を失うことになりかねず,治療を受ける側,提供する側の双方にとって痛手となります。

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