ドクターブログ

歯の固定

歯周病により歯槽骨が吸収し,歯周靫帯の弛緩が起こると歯に動揺が生じます。その原因には炎症性因子と外傷性因子が考えられ、炎症のコントロールを行い動揺が改善していく症例であれば炎症性因子が強く,支持骨量に応じて生理的な動揺に収束できれば歯を固定していく可能性は低いと考えられます。しかし動揺が残存もしくは増加してしまうようであれば,力のコントロールを行い、さらなる動揺の改善を試みる。力のコントロールを行っても動揺がおさまらない場合に 固定の必要性
を考慮していくことになります。
 固定方法は,その時期によって暫間固定と永久固定に分類され,さらに両者とも固定式,可撤式の装置に分類されます。暫間固定とは急性の外傷を受けたときや動揺が大きすぎるため治療が行えない場合に行う処置で,近年では歯の切削を伴わない接着性レジンで行うことが一般的になっています。固定式装置は,セメントを介したインレーやクラウン・ブリッジによる固
定を一次固定、可撤式装置はセメントを介さないテレスコープ,アタッチメント,クラスプなどの装置を用いて固定する方法で二次固定と呼ばれています。

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