ドクターブログ

歯周病菌

 歯周病の原因は、あくまで「細菌性プラーク(バイオフィルム)です。口腔内の細菌は約800種類とも言われていますが、その中の10種類ぐらいの細菌がカリエスを作り、10種類ぐらいの細菌が歯周病を起こします。
歯周病を引き起こす細菌のほとんどは「グラム陰性菌」ですが, そのグラム陰性菌は最表層に「莢膜(きょうまく)」いうネバネバした膜をもち、そこに「リポ多糖体(Lipopolysaccharide) という内毒素を有し、リポ多糖体により歯肉に炎症を起こすのが「歯周病」です。(なかには.慢性期であっても細菌が直接歯周組織を破壊するActinobacillus actinomycetemcomitansのような細菌もいる)。その結果、歯肉の炎症はあるものの歯を支える歯槽骨が吸収していない状態を「歯肉炎」と呼び、歯肉の炎症に加えて骨が吸収した状態を「歯周炎」と呼びます。本来は「骨」ではなく「付着器官(Attachment Apparatus)の喪失」ですが, 理解しやすいように簡単に記す)。
つまり、簡単に言えぱ.その炎症の直接の原因となる「根面に付着したリポ多糖体」および、それを作る「プラーク(Plaque)」を除去していくことが「歯周病の治療」であると言うことができます。ちなみに、以前は「歯石」も歯周病の原因と言われていた時代があったが今では「Plaque Retention Factor」という位置づけであるのはご承知のとおりです。

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