ドクターブログ

8020歯周炎

厚生省(当時)によって推進されてきた8020運動も,今年で30年となり,80歳以降のその割合も2016年の歯科疾患実態調査では51.2%になりました。歯の保存に対しては,臨床医の努力と患者さんへの啓発により,ある程度の成果がみえてきているのではないでしょうか。しかしながら,成人の歯周病の罹患率は,35歳以降で40%を超え,高齢になるにしたがって増加傾向を示しています。
 2015年日本歯周病学会のガイドラインの歯周病の分類には,「慢性歯周炎」と「侵襲性歯周炎」があります。その大半は慢性歯周炎であり,炎症と咬合のコントロールをするにとである程度改善することが可能です。しかしながら難治性歯周炎といわれる侵襲性歯周炎や広汎型重度慢性歯周炎は治療の反応も悪く,機械的歯面清掃と抗菌薬の併用など治療に苦慮することが多い。それに加え、歯ぎしりなどのパラファンクションのある患者の予後については,治療結果を読むことが非常に困難です。また高齢化に伴い,糖尿病をはじめとする全身疾患をもつ患者さんも多く,治療の制限を求められることもしばしばあります。

お問合せ