ドクターブログ

超高齢化社会の歯内療法

未曾有の超高齢社会の到来は,健康寿命の延伸やQOLの維持向上に役立つ医療が従来以上に評価される時代の到来とも考えらrれます。口腔機能の維持・回復のため,かけがえのない天然歯を保存し機能させる努力が従前以上に求められる時代と捉えることも可能です。歯内療法による天然歯の保存が、これらの時代の要請に必要な医療であることは疑いありません。
 一方,超高齢社会における人目構成や疾病構造の変化への対応が,歯内療法についても求められる時代となっています。これは,複雑な対応を必要とする症例の相対的な増加への対応と換言することができます。とりわけ,8020運動の成果ともいうべき高齢者での残存歯数増加は,根管の狭窄化などの加齢変化や過去の歯科治療に伴う諸種の医原性変化か生じた歯を処置する機会の増加を意味しており,歯内療法の複雑化につながっています。高齢者の心身への配慮が求められることも言うまでもない。また。う蝕有病率の低下とともに歯内疾患の初発症例が減少する一方で,複雑な再根管治療を必要とする症例の割合が増加傾向にあります。とりわけ,経過不良例に対する再根管治療はいわば「難症例の温床」であり,根管からの感染源の確実な除去を妨げるさまざまな要因の存在に留意する必要があります。

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