ドクターブログ

補綴前処置

近年,CAD/CAMそして3Ⅾプリンターの応用など,マテリアルの進歩に伴い,キャストメタルから審美性と強度に優れたe.maxやジルコニアなどのノンメタルの歯冠補綴物がトレントになってきました。これらのマテリアルも長所ばかりでなく,その短所にも注意しておかなくてはなりません。すなわち,キャストメタル以上に支台歯形成の良否で適合の精度が大きく変わること,咬合調整が難しいこと,対合歯に対する影響が未知であること,接着セメントの使用が必須となるが,その除去が難しいことなどにも注意しておく必要かあります。
 これら,多種にわたるマテリアルの長所短所を理解したうえで,患者さんのニーズにあった結果に導くためには,必要な補綴前処置があります。補綴治療に入る前にこのことを説明納得してもらったうえで,同意を得ておかなければなりません。そのためには,正確で適切な診断と患者さんのニーズにあった治療戦略の構築が必要になります。補綴治療の成功は,正確な診断とそれらを維持する健康な歯周組織と生体に調和した補綴形態と咬合関係の構築にあると考えます。補綴前処置はこれらに必要なことがらの大きな枠組みにすぎません。実際の臨床においては個々の患者さんにあった細かな詰めと,一つひとつのステップで妥協しないこだわりが,その結果の美しさと患者さんの満足度の向上に人きく影響することを理解しておかなければなりません。

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